マナーと心が必要です

介護福祉士になるには、マナーと心が求められます。
社会福祉施設や医療機関で、利用者に対して援助者が何らかのサービスを提供する時に、少しでも「面倒をみている」「支配している」といった意識があったとしたら、それはとんでもない思い上がりになります。特に高齢者が長い間培ってきた生活信条や習慣はゆるぎないものであり、それを無視してこちらの事情を押し付けるのはその人の生活文化へ土足で入り込むようなものだと言っても過言ではないと思います。
援助者は利用者の痛み、苦しみ、悩み、喜びに共感し、人生に関わっていく立場にありますので、良好なバランスを保ちながら自立を援助していく専門職であるということをしっかりと自覚しましょう。
福祉施設においての援助者のマナーは、基本的に相手を尊重する敬意のあらわれ、つまり丁寧な言葉と身振り、素振りが大きく影響します。コミュニケーションを取る際の言葉や言動、態度はマナーの原点となります。様子や態度、風習や習慣、行儀や作法などは福祉施設や医療現場において大変重要になってくるのです。さらに、対人援助そのものが人間関係によって展開される作業である為、マナーのごとく心に焼き付けて欲しい専門的「マインド」が存在します。例えば介護サービス提供の場合、自分の手をちょっと擦り合わせることによって、利用者には手のぬくもりを提供出来るようになります。援助とは、慰めや同情ではありません。このことをしっかりと頭に焼き付けておきましょう。